なか2656のblog

とある会社の社員が、法律などをできるだけわかりやすく書いたブログです

2018年03月

今年も調布市佐須町付近の野川の桜のライトアップが、株式会社アーク・システム様により3月30日に実施されたので、見にいってきました。

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月並みな表現ですが、非常に幻想的です。 IMG_0538


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今年は昨年以前に比べると、非常に混んでいると感じました。

■株式会社アーク・システム様の告知サイト
・【開催日決定】野川の桜ライトアップ 2018|アーク・システム

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今年も、調布市に本社のある撮影用照明機材の株式会社アーク・システム様が、調布市佐須町付近の野川の夜桜のライトアップ3月30日(金)午後6時から実施してくださるそうです。同社のウェブサイトに告知が掲載されています。

・【開催日決定】野川の桜ライトアップ 2018|アーク・システム

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(2016年のライトアップの様子)

これは地元民として、とても楽しみです。

■関連するブログ記事
・調布の野川の夜桜のライトアップに行ってきた(2016)

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1.佐川氏が国会の証人喚問でほぼすべての証言を拒否
森友学園に関し財務省が決済文書などの公文書を多数改ざんしていたことが発覚した問題について、3月27日に元理財局長だった佐川宣寿氏の証人喚問が衆参両院の予算委員会で合計約4時間行われました。

しかし、国会議員からの質問に対し、佐川氏は「刑事訴追のおそれがあるので証言を控えさせていただく」として実に合計約50回も証言拒否を行い、自身の関与など改ざんの経緯についてほぼすべての証言を拒否しました。

・改ざん、証言拒む 経緯・目的、不明のまま 佐川氏喚問|朝日新聞

2.国政調査権‐議院証言法
憲法は、「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」と規定しています(国政調査権、62条)。

この憲法の条文を受け、国会法104条1項は、「各議院又は各議院の委員会から審査又は調査のため、内閣、官公署その他に対し、必要な報告又は記録の提出を求めたときは、その求めに応じなければならない」とし、衆参それぞれの議院またはその委員会は、内閣・行政庁に対して報告または記録の提出を求めることができるとしています。また、同106条は「審査又は調査のため、証人又は参考人」に出頭を求めることができるとしています。

そしてさらに証人の証言については、議院証言法(「議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律」)が用意されており、証人の出頭・証言および書類等の提出を要求する手続きと要求を拒否した証人に対する罰則が規定されています。

3.国政調査権の限界
このように国政調査権は衆参両院が有する強力な調査権ですが、限界もあります。まず、その目的は、国政つまり立法・予算審議・行政監督の3分野となります。財務省の文書改ざん問題はまさに行政監督が目的ですから、司法への調査などと異なり、財務省や内閣への衆参両院の調査権は原則として全面的なものとなるとされています。

しかしたとえ国政調査であっても証人等の基本的人権を侵害することが許されないのは当然です。そのため、証人本人の思想・信条を問う質問や、黙秘権(憲法38条)を侵害する質問は許されないことになります。

この後者を具体化したのが、議院証言法4条です。

議院証言法

第四条 証人は、自己又は次に掲げる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのあるときは、宣誓、証言又は書類の提出を拒むことができる。
 自己の配偶者、三親等内の血族若しくは二親等内の姻族又は自己とこれらの親族関係があつた者
(後略)

この条文は、「証人は、自己(略)が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのあるときは、宣誓、証言又は書類の提出を拒むことができる」と規定するのみで、どのような内容の刑事訴追またはどのような有罪判決のおそれがある場合に証言拒否等を許可するといった歯止めをまったく規定していないので、条文上、証人がごくわずかでも刑事訴追のおそれがあると考えた場合、この条文を根拠に一切の証言を拒否できてしまいます。

つまり、今回の証人喚問における佐川氏のように、「刑事訴追のおそれがあるので回答をひかえる」とさえ言えば、事実上いかなる証言拒否も可能となってしまい、それは少なくとも現行の議院証言法上は合法なのです。

議院証言法自身は、6条に証人が虚偽の陳述をした場合に10年以下の懲役に処する罰則(偽証罪)と、7条に証人が正当な理由がなく証言を拒んだ場合に10万円以下の罰金とする罰則(証言拒否権)を定めています。しかし、佐川氏のように、4条の「刑事訴追のおそれ」という理由さえ示せば、これら偽証罪や証言拒否権などさえクリアできてしまいます。

4.まとめ
今回の佐川氏の証人喚問で事実がほとんど解明されなかったように、現行の議院証言法はとくに4条が証人を免責とする範囲があまりにも広すぎであり、法改正を含めた見直しが必要であると思われます。

もちろん証人等の人権の保障は重要です。しかし、証人喚問などを含む国政調査権は、強大な内閣・行政権を主権者たる国民から選ばれた国会がチェックしコントロールを行うための重要な権限です。内閣・行政権の腐敗や権力の私物化などを国会がチェックできないということになっては、わが国の議会制民主主義の根幹が損なわれかねません。

■参考文献
・芦部信喜『憲法 第6版』317頁
・野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法Ⅱ 第5版』152頁
・大山礼子『国会学入門』196頁

■関連するブログ記事
・財務省の公文書改ざんについて内閣や大臣は責任を負わないのか憲法的に考える

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本日は桜も咲いてきたし、日曜日ということで、家族と野川公園に花見に行ってきました。野川公園は調布市・三鷹市・小金井市の境にあるとても大きな公園です。桜もほぼ満開でした。
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本日は天気もよかったので、とてもにぎわっていました。
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この野川公園は、かつて国際基督教大学(ICU)のゴルフ場であったところ、昭和40年代に当時の東京都が譲渡を受け、都立公園にしたそうです。
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野川公園を東西に通っている東八通り(都道14号)の上の陸橋を越えて、公園の北部にいくと、昔懐かしい感じの野川にいけます。
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このあたりは、国分寺崖線のいわゆる「ハケ」と呼ばれる場所で、水が湧いてくるところの一つです。
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野川では子ども達が魚をとっていました。
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帰りに通りがかると、調布飛行場沿いの大沢グラウンド通りの桜もほぼ満開でした。 IMG_0269(2)
本日は、野川公園近辺の桜を楽しみました。

・野川公園|むさしのの都立公園(公式サイト)

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1.事案の概要
報道によると、文部科学省が、前川喜平・前事務次官を授業の講師に招いた名古屋市立八王子中学校に内容などの報告を求めていた問題で、自民党の赤池誠章参院議員・池田佳隆衆院議員から文部科学省に対し、「公務員法に違反した者が教壇に立っていいのか」等と調査を行う前から複数回にわたって内容などを確認する問い合わせがあったことがわかりました。文科省は教育委員会に講演の録音テープ等の提出も求めたそうです。野党側は、「教育への政治介入だ」として文部科学省に対し経緯を説明するよう求めることにしています。これに対して、林芳正文科大臣は記者会見で、「法令に基づく適正な調査だった」と述べ、また赤池氏は「これが圧力なら国会議員の仕事はできなくなる」と記者団に語ったとのことです。

・前川氏の講演 自民議員が文科省に問い合わせ 野党「圧力か」|NHKニュース
・「自民部会無視できぬ」文科省当初照会隠す|朝日新聞

しかし本事件のように、国会議員が文科省に対し個別の学校の授業内容について照会したり、文科省が個別の学校の授業内容について調査を行うことは、法令上許されるのでしょうか?

2.憲法26条‐旭川学テ事件
教育を受ける権利に関する憲法26条はつぎのように規定しています。

憲法

第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
 (略)


この憲法26条1項の子どもの教育を受ける権利に対応する、子どもに教育を受けさせる責務の所在(教育権の所在)については議論が分かれます。一つは、教育内容について国が関与・決定する権能を有するとする説(国家教育権説)、もう一つは、親およびその付託を受けた教師を中心とする国民全体であり、国は教育の条件整備の任務を負うにとどまるとする説(国民教育権説)です。

この点が争点となった旭川学テ事件(最高裁昭和51年5月22日判決)は、両説の折衷説をとるとされており、「子どもが自由かつ独立の人格として成長することを妨げるような国家的介入、例えば、誤った知識や一方的な観念を子どもに植え付けるような内容の教育を施すことを強制することは、憲法26条、13条の規定上からも許されない」と判示し、国家による教育への不当な介入を禁止しています。

この点、学説は、「教育の全国的水準の維持の必要に基づいて、国は教科目、授業時間数等の教育の大綱について決定できるが、国の過度の教育内容への介入は教育の自主性を害し許されない」としています(芦部信喜『憲法 第6版』275頁)。

そのため、今回の自民党の個別の中学校の授業内容に関する照会・介入は、憲法26条1項および判例に照らし許されないことになります。

3.教育基本法
教育基本法1条はつぎのように規定しています。

教育基本法


第1条 教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。


第1条は、教育の究極の目的を「人格の完成」としています。これは、戦前の教育勅語が「皇国ノ道」を定めていたことを明確に否定し、子どもは天皇や国家のための道具ではなく、人格的に育ってゆくべき存在として、一人ひとりが尊重に値するという考え方を明確化したものです。

さらに、教育基本法16条はつぎのように規定しています。

教育基本法

第16条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。
(後略)


本条は、教育に対する公権力および社会諸勢力の不当な介入を排除するものです。ここでいう「不当な支配」とは、教育が本来の目的に従って行われるような組織的介入の排除を意味し、社会的勢力や一般の公権力機関のほか、教育行政機関にも向けられます。

今回の事件で、自民党の赤池議員らが、安倍政権に批判的な前川氏を今後、全国の学校で講師として招くことを妨害する趣旨で、本件のような働きかけを文科省にしたとしたら、これは教育基本法16条の禁止する「不当な支配」にあたるといえるでしょう。

4.地方教育行政の組織及び運営に関する法律
地方教育行政の組織及び運営に関する法律


(資料及び報告)
第五四条 教育行政機関は、的確な調査、統計その他の資料に基いて、その所掌する事務の適切かつ合理的な処理に努めなければならない。
 文部科学大臣は地方公共団体の長又は教育委員会に対し、都道府県委員会は市町村長又は市町村委員会に対し、それぞれ都道府県又は市町村の区域内の教育に関する事務に関し、必要な調査、統計その他の資料又は報告の提出を求めることができる。


地方教育行政の組織及び運営に関する法律(地方教育行政組織運営法)54条は、文科大臣や都道府県は教育委員会や自治体に対して、統計その他の資料・報告の提出を求めることができると規定しています。

今回、赤池議員らの要求に応じて文科省が名古屋市立八王子中学校に対して行ったのは、この54条に基づく「統計その他の資料・報告の提出」であろうと思われます。

しかし、同54条は統計その他の資料・報告について規定していますが、これは適切かつ合理的な教育行政を行うために、統計的な資料の提出を求める趣旨であり、具体的には、学力調査(学力テスト)の資料の提出などを求める条文となっています(本田宏『逐条解説 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第4次新訂』405頁)。

5.まとめ
このように、憲法26条、教育基本法1条、16条などの趣旨から、文科省が行うことができるのは、学校の教育環境の整備などであり、個別の学校の個別の授業の内容の詳細について資料や報告の徴求ことは、「不当な支配」であって許されません。同時に、自民党の議員らも、「不当な支配」を文科省に要求することは許されません。

また、今回文科省が行使した地方教育行政組織運営法54条も、教育内容について照会することができる条文ではないので、この点も違法です。

■参考文献
・芦部信喜『憲法 第6版』273頁
・荒牧重人・小川正人・窪田眞二・西原博史『新基本法コンメンタール教育関係法』5頁、11頁、61頁、281頁、283頁、285頁、289頁、290頁
・本田宏『逐条解説 地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第4次新訂』405頁
・田中壮一郎『逐条解説改正教育基本法』23頁、183頁

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