byouki_oldman
1.新型コロナにより自宅療養をした場合、生損保の医療保険の入院給付金は支払われないのか?
2022年1月24日夜、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、後藤厚生労働大臣は、自治体が判断すれば、感染者の濃厚接触者に発熱などの症状が出た場合、PCR検査等を患者が受けなくても、医師が感染したと診断できるようにする方針を明らかにしたとのことです。

・濃厚接触者 検査なしでも医師が感染と診断可能に 厚労相|NHKニュース

これに対しては、ネット上で、「自宅療養(自主療養)では生損保の医療保険の入院給付金が支払われなくなってしまうのではないか?支払いをめぐって保険会社ともめ事が発生するのでは?」との心配の声があがっています。

これ保険で絶対もめる
(Twitterより)

2.保険会社の対応
この点、例えば住友生命保険の医療保険の疾病入院給付金の約款(5年ごと利差配当付医療定期保険普通保険約款)の5条1項1号(支払理由)は、「イ 疾病の治療を目的としている入院であること」、「ハ 病院または診療所等における入院であること」などを支払いの要件としています。

そしてこの「病院または診療所等」について、同約款は「「病院または診療所等」とは、次のいずれかに該当する施設とします。(1)医療法に定める日本国内にある病院または患者を入院させるための施設を有する診療所、(2)柔道整復師法に定める日本国内にある施術所(患者を入院させるための施設と同等の施設を有する施術所に限ります。)(3)前(1)および(2)と同等の日本国外にある医療施設」と補足しています。

住友生命医療保険約款
(住友生命保険「5年ごと利差配当付医療定期保険普通保険約款」より)

しかし、例えば日本生命保険のプレスリリース「新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ」(最終更新日:2021年10月1日)「保険金・給付金のお支払いについて」の「1.入院給付金のお支払いについて」は、つぎのように説明しています。
1.入院給付金のお支払いについて
新型コロナウイルス感染症は疾病に該当しますので、新型コロナウイルス感染症の治療を目的とされた入院は、(疾病)入院給付金のお支払い対象となります。
※ご契約内容によっては、入院給付金のお支払いに、所定の入院日数が必要となる場合があります。

なお、新型コロナウイルス感染症に罹患された場合で、医療機関の事情などにより、自宅またはその他病院などと同等とみなされる施設で治療を受けられる場合も、その治療期間に関する保健所等発行の証明書入院勧告書または就業制限・解除通知等)などをご提出いただくことで、入院給付金等のお支払いの対象としてお取扱いします。

この場合、お支払いの対象となる期間は原則、PCR検査等で陽性と判明した日から厚生労働省等の定める解除基準に該当した日(保健所等から通知された解除日)となります。
※上記は2021年7月1日時点での取扱いであり、今後法令の改正等により変更する可能性があります。

日本生命コロナ入院給付金支払いについて
(日本生命保険「新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ」より)
・新型コロナウイルス感染症に関するお知らせ|日本生命保険

このように日本生命保険は、コロナに感染したが、病院などの事情により病院への入院でなく、自宅療養ホテルなどの宿泊所療養などをした場合であっても、お客様が「その治療期間に関する保健所等発行の証明書入院勧告書または就業制限・解除通知等)など」を提出した場合は、自宅療養などであっても入院給付金の支払い対象となるとしています。

同様に、第一生命保険、住友生命保険、明治安田生命保険、損保ジャパンなどもプレスリリースで、医師診断書等「会社所定の宿泊療養・自宅療養書」「保健所の証明書」などの提出があった場合には、コロナによる自宅療養でも入院給付金・医療保険金を支払い対象になるとしています。

・新型コロナウイルス感染症に関連したご案内等について(12月30日更新)|第一生命保険
・新型コロナウイルス感染症宿泊療養・自宅療養による入院給付金のご請求について|住友生命保険
・新型コロナウイルス感染症に関する当社の対応について|明治安田生命保険
・新型コロナウイルス感染症に関する商品・特別措置等のご案内|損保ジャパン

3.まとめ
そのため、コロナで入院治療が必要となったが、自治体や病院等の都合で自宅療養やホテル療養などとなった場合であっても、保健所の証明書医師の診断書などを提出した場合は、自宅療養などであっても入院給付金の支払い対象となると思われます。

※くわしくはご加入の保険会社にお問い合わせください。

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