1.契約内容登録制度
保険金・入院給付金の不正請求などモラルリスク対策のため、生命保険協会に契約内容登録制度が設けられています。この制度は、生命保険協会の登録センターに各保険会社が自社の保険契約に関する情報をオンラインで登録するとともに、顧客から保険契約の申込があった場合には、各保険会社はセンターの登録情報にアクセスして保険の引受けの判断や保険金等の支払の判断に用いるというものです。

この契約内容登録制度で登録される情報はつぎのとおりです。

①保険契約者および被保険者の氏名・住所・生年月日・性別・住所
②死亡保険金額・災害死亡保険金額
③入院給付金の種類・日額
④契約日
⑤取扱保険会社

これらの情報は契約日から5年間登録されます(被保険者が満15歳未満の保険契約については、契約日から5年間と契約日から被保険者が15歳となる期間までのいずれか長い期間)。

保険契約者および被保険者は、自身の登録情報に間違い等があった場合、その訂正等を申し出ることができます。また、個人情報保護法に基づく開示・訂正等の請求も可能です。

なお、登録される保険契約はすべてではなく、一定の保険金額を上回る場合ですが、モラルリスク事案の社会問題化を受けて、この金額はしだいに引き下げが行われています。

また、本制度への情報の登録は、現在では契約の成立ではなく申込の段階で行われるようになったため、短期集中的に多数の保険会社の保険に加入する事案(いわゆる「他社集中加入事案」)に対してかなりの程度、防止ができるようになっているとされています(山下友信『保険法(上)』326頁)。

さらに、2002年より、生命保険協会と全国共済農業協同組合連合会(全共連、JA共済)との間で情報の相互照会を行う契約内容照会制度が設置されています。

加えて、2001年より日本損害保険協会においても傷害保険契約等に関して契約内容登録制度が創設されましたが、生命保険協会との相互照会はいまだ実施されていません(2018年現在、山下・前掲326頁。)

2.支払査定時照会制度
モラルリスク対策のために、生命保険協会は、保険会社各社が保険金・給付金の支払査定の際に判断の参考とするために、保険加入者の保険金支払状況について相互照会を行う支払査定時照会制度を設置しています。

この支払査定時照会制度においては、生命保険協会は契約内容照会制度とは異なり、全国共済農業協同組合連合会だけでなく、全国労働者共済生活協同組合連合会(全労災)および日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済)とも情報の相互照会を行っています(山下・前掲139頁)。

契約者、被保険者および保険金受取人は、自身の情報に誤りなどがあった場合は訂正などを申し出できます。また、個人情報保護法に基づく開示・訂正等の請求も可能です。

■参考文献
・山下友信『保険法(上)』326頁
・長谷川仁彦『生命・傷害疾病保険法の基礎知識』79頁
・契約内容登録制度・契約内容照会制度について|生命保険協会
・「支払査定時照会制度」について|生命保険協会