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山本龍彦先生の『アテンション・エコノミーのジレンマ <関心>を奪い合う世界に未来はあるか』(2024年8月)を購入し、さっそく山本先生と森亮二先生との対談の個人情報保護法制に関する部分を読みました。

ケンブリッジ・アナリティカ事件、リクナビ事件等のあとの、最近の生成AIの発達・普及をうけて、広告業界やプラットフォーム業界、世界や日本の個人情報はどうなってゆくのかという点が非常に興味深いと感じました。(これまでますます力を強めてきたGoogleが、chatGPT等の普及による”検索をしない世界”の到来に大いに慌てているのではないかという予測等など。)

また、日本の個人情報保護法がプロファイリングについてほとんど規制を設けていないことはやはり大問題であること、「個人を特定できるか」が重要なのではなく、事業者などが「個人の認知システムにどれだけ働きかけるか」が重要なのであることは本当にその通りだと思いました。

さらに、デジタル社会において「個人の自律性・主体性」を回復するためにはやはり自己情報コントロール権や情報自己決定権の考え方が重要だと感じました。

高木浩光氏や鈴木正朝教授などの「関係のない情報による自動処理・決定・差別の防止」の考え方ももちろん重要ですが、「関係のない情報による自動処理・決定・差別の防止」の考え方では個人の自律性・主体性の回復、もっと言えば憲法や法律学が核心の価値として掲げる、個人の尊重や個人の基本的人権の確立の価値は導き出せないように思いました。

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