本日、新宿南口の近くのビルの一角の「新宿駅前テストセンター」というところで、きんざい(金融財政事情研究所)のコンプライアンス・オフィサー・生命保険コースの試験を受けてきました。私にとってこの資格試験が斬新だったのは、紙ベースの問題を解くのでなく、受験生に一台割り当てられたパソコンのモニター画面上の問題を解くという「CBT試験」であったことです。
やや早めに試験会場に行くと、CBT方式なのでそもそも試験運営団体から受験票などが郵送されてこないので、運転免許証などの本人確認の書類の提示を求められます。また、不正行為防止のためとのことで、スマホを電源オフにして鞄に入れロッカーに入れるよう指示され、さらに腕時計までロッカーにしまえと指示されたことには驚きました。また衣服のポケットのなかのものはすべてロッカーに入れること、紙屑なども不可とのことで、なんだか不安になってきます。さらに試験前の説明の際に、不正がないかあなたのかけているメガネを見せてくださいと言われたことも驚きました。この試験の受託団体のCBT-Solutionsという会社は、受験生を人権のない犯罪者または囚人か何かだと思っているのでしょうか・・・。
それはともかく、自分の席にたどりつき、モニター画面で試験を開始しましたが、紙ベースの問題と違ってこれがまた解きにくい・・・。私はいつもこういう選択肢形式の試験は、それぞれの選択肢に自分なりに〇あるいは×とつけて解いてゆくのですが、パソコンモニターではそうもいきません。なんだか自分のペースをつかめぬまま、時間だけが経ってゆくような気がします。
とはいえ、だらだらやっていてもしかたないので、ある意味適当に50分くらいで50問一応回答し、終了ボタンを押すと、なんとか合格していました。
この成績表のプリントアウトを出口でいただき、終了です。問題集の説明などによると、CBT方式は合格証などの郵送もないそうで、何だかわびしいものがあります。また、わびしいというと、問題冊子を持ち帰ることができないのも悲しいものがあります。(我ながら年寄りの発想。)
しかしこのようにして、電子媒体による試験を受けてみると、武雄市などの学校で実験的な取り組みが行われ、今後、全国の学校で導入が予定されているという、タブレット端末を教科書として使う授業はあまりうまくいかないのではと懸念を抱きました。 今回私が受けたような頭の上だけでなんとかなる簡単な試験(失礼)であればともかく、たとえば法律関係でいえば、司法試験、司法書士試験、行政書士試験の民法などは、事例問題は自分で図を書きながらでないと正解にたどりつけません。小中高の算数や数学、物理、化学などの理系科目もそうではないでしょうか。安直にタブレット端末を教科書替わりに学校に導入すると、「若者の勉強離れ」が発生してしまいそうな予感がします。
なお、これは試験前に2018年度の問題集をやっていたときも気になっていたのですが、本試験も、2年前の保険業法の大改正で導入された意向把握義務・説明義務や乗合保険代理店の体制整備義務にまったく触れていませんでした。きんざい・金融財務研究所といえば、金融・保険業界に業界雑誌や専門書籍などを多数出している老舗出版社なのですが・・・。