新生銀行の図
(新生銀行サイトより)

1.新生銀行
本年5月初旬に、新生銀行がコンビニなどの提携ATM手数料を原則有料化すると発表しました。

・ニュースリリース「新生ステップアッププログラム」の改定について|新生銀行

このニュースリリースを読むと、新生銀行の関連会社のプリペイドカード「GAICA」にあらかじめ金銭を入金しておくと、従来どおり新生銀行の提携ATM手数料が無料となるように読めます(入金は1万円以上)。

ところが、最近、新生銀行のコールセンターに質問してみると、手数料無料を維持するには、プリペイドカード「GAICA」への入金は1回で済むのではなく、毎月必要とのことでした。つまりコンビニなどのATM手数料を無料とするには年12万円も新生銀行にお布施をしなければならないことになり、これはとても採算のとれた話とは思えません。

新生銀行の関連会社の発行するクレジットカードを毎月利用するなどの方法もあるようですが、当該クレジットカードは初年度は無料なものの、次年度以降はカード年会費5000円がかかるそうで、これも庶民にはレベルが高すぎる話です。

2.ソニー銀行
また、新生銀行に追随するかのように、ソニー銀行も提携ATM手数料の原則有料化をウェブサイトで発表しました。

・外貨預金為替コストならびにATM利用手数料の改定についてのお知らせ|ソニー銀行

こちらは新生銀行のような救済措置(?)すら存在しないようです。

かつて3、4年前に3メガバンクがコンビニなどのATM手数料を原則有料化するようになってきてから、私は新生銀行やソニー銀行を利用してきたので、非常に残念です。

3.結局、メガバンクが良い?
しかしこうなってくると、逆に自社のATMの多い3メガバンクのほうが庶民からみて魅力的にみえます。

例えば、みずほ銀行は、同社のクレジットカードで毎月利用があれば、「みずほマイレージクラブ」制度でみずほ銀行のATMの時間外手数料が無料となり、コンビニ等のATM手数料も4回まで無料となります。さらに、投資信託や公社債などを1口(1万円)以上保有していると、月4回まで他行あて振込手数料が無料となります。

・みずほマイレージクラブ|みずほ銀行

4.余談1:イオン銀行
なお、みずほ銀行はイオン銀行と提携しており、みずほ銀行の利用者はイオン銀行のATMでも手数料なしでお金の出し入れを行うことができます。また、イオン銀行は一定の条件を満たすと、普通預金の金利が何と0.1%以上となるなど画期的なサービスを提供しています。

5.余談2:りそな銀行
準大手銀のりそな銀行は、2年目以降は毎月りそなのデビットカードを利用していないと、りそな銀行の自社ATMすら1回目から有料となってしまうようで、庶民からみて論外であると思われます。

6.まとめ
結局、体力のある3メガバングのATMのほうが、中小銀行よりも庶民にとっては様々な面で使いやすいようです。

日銀のマイナス金利政策の長期化により経営が厳しいのは分かりますが、新生銀行やソニー銀行などが顧客の選別を行い、富裕層のみを自社の顧客としようとしていることは、自分で自分の首をしめているようにも見えます。また、金融庁が掲げる「顧客本位の業務運営」に完全に反していることは間違いありません。

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