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カテゴリ: コロナ・東京オリンピック

1.赤羽一嘉国交大臣の「内閣には臨時国会を開く権限はない」ツイートが炎上
8月16日午前9時の公明党赤羽一嘉国交大臣(@AKBhyogo2ku)のつぎのツイートがTwitter上で炎上しました。

『臨時国会の開催については、国会が決めることでして、内閣には何の権限もございません。但し、閉会中の今も、毎週、委員会は開催しており、今週も、(水)(木)に内閣委員会が開かれます!』
赤羽ツイート1
(赤羽大臣のTwitterより)
https://twitter.com/AKBhyogo2ku/status/1427064920818917376

炎上したのは、憲法53条には臨時国会(臨時会)を召集し開催することは内閣の権限であることが規定されているにもかかわらず、現職の大臣の赤羽氏が、まるで憲法53条の条文を読んだことすらないようなツイートをしているからです。(なお、赤羽氏がツイートしている、「国会閉会中の委員会」は閉会中審査(衆議院)、継続審査(参議院)と呼ばれる国会法47条2項に基づく会議であり、国会ではありません。)

憲法
第53条

内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

2.赤羽大臣の釈明ツイートがさらにひどい
このツイートに対しては大きな批判が寄せられ、16日夜にはTwitter上でもトレンド欄「憲法53条」「臨時国会」が表示される事態となりました。

これを受けて、赤羽大臣は同日23時につぎの釈明ツイートを行っていますが、これも非常にひどい内容です。

私のツイートでお騒がせし、スミマセン
私の申上げたかったことは、「内閣は、臨時国会の召集を決定することができる」のは憲法53条にある通りですが、実際は、臨時国会の開催時期やその期間などについては、与野党の国対委員長間で話し合いが行われ、実施されてきたのが慣例でしたということです。


赤羽ツイート2
(赤羽大臣のTwitterより)
https://twitter.com/AKBhyogo2ku/status/1427282139901427714

赤羽大臣はこの釈明ツイートで、「臨時国会の開催時期などについては与野党の国対委員の話し合いで決定し実施される」という国会の実務を紹介し、同日9時頃の「臨時国会を開催する権限は内閣にはない」という自身のツイートは間違いではないと主張しています。

3.憲法53条後段に基づく少数議員の要求による内閣の臨時国会の召集
しかし、現在の日本政治で大問題となっているのは、赤羽大臣のツイートにある「内閣は、臨時国会の召集を決定することができる」との憲法53条前段の話ではなく、同53条後段の「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」の話です。

つまり、7月16日には野党各党が憲法53条後段に基づき、議員の四分の一以上の議員の要求として、臨時国会(臨時会)の招集を内閣に求めているにもかかわらず、菅内閣が1か月を経過しても臨時国会を召集していないことが憲法違反だと社会的非難を受けているのに、赤羽大臣がまるでこれを理解できていない釈明ツイートをしているのは、ひどいとしか言いようがありません。

そもそも内閣が憲法53条後段に基づくいずれかの議院の四分の一以上の議員からの臨時国会を召集せよとの要求があったにもかかわらず、内閣がこれを拒否することは、2015年の安倍晋三内閣にはじまり、その後も漫然と行われて、憲法違反であると社会的批判を受けています。

この点、憲法の解説書によると、憲法53条後段の「法定要件を満たす招集の要求があった場合、内閣は相当の期間内に臨時会を招集する義務を負う。とされています(野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法Ⅱ 第5版』115頁)。

この憲法53条後段の趣旨・目的は、議院内閣制においては国会の多数派の意思は内閣により実現されやすいが、国会の少数派の意思は実現されにくいため、この少数派の意思を守るためであるとされています(芹沢斉・市川正人・坂口正二郎『別冊法学セミナーNo210 新基本法コンメンタール憲法』334頁)。

つまり、内閣が少数議員からの臨時国会の召集要求を拒むことは、少数議員に付託している日本国民の少数意見を内閣(行政)が無視することであって、これは少数意見にも配慮した熟議を行わななければならないという議会制民主主義の否定です。

なお、臨時国会を召集せよと要求する議員が招集期日の指定をすることが通常ですが、この招集期日の指定に内閣が拘束されるかは憲法上の論点とされています。

この点、2015年の安倍政権より前の政府の公式見解は、「諸般の状況を勘案して合理的に判断して最も適当と認める招集時期を決定する」として議員側の招集期日の指定に拘束されないとの見解をとっています(芹沢ら前掲334頁)。しかしこの従来の政府の公式見解も、「臨時国会の召集の要求が議員から内閣にあったのに、内閣は臨時国会を召集する義務を負わない」とはしていないのです。

つまり、2015年の安倍内閣以来、ずるずると議員からの臨時国会の召集の要求があったにもかかわらず臨時国会の召集を拒否している安倍内閣・菅内閣の対応は、憲法53条の文言に違反している憲法違反なだけでなく、従来の政府の公式見解にも違背しています。

4.まとめ
このような最近の内閣の憲法違反の行為を、現職大臣の赤羽氏がまったく理解できていないかのツイートを繰り返していることは大問題であるといえます。内閣の憲法違反の大問題や、憲法53条の条文上の知識すら理解していない赤羽大臣は、国務大臣としての資質に重大な問題があるのではないでしょうか。

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■参考文献
・野中俊彦・中村睦男・高橋和之・高見勝利『憲法Ⅱ 第5版』115頁
・芹沢斉・市川正人・坂口正二郎『別冊法学セミナーNo210 新基本法コンメンタール憲法』334頁
・安倍政権が臨時国会を開かないのは憲法違反である|南野森













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新型コロナの8月5日付の東京都の新規感染者数が5,042人、日本全体の新規感染者数が15,259人という新型コロナの感染爆発の状況(Yahoo!Japan「新型コロナウイルス感染症まとめ」および東京都「都内の感染状況」より)のなか、東京都などのコロナ感染者が急増する地域で、コロナ患者の入院を制限する菅内閣の新しい方針に対して、自民党も撤回の要求を行っているにもかかわらず、菅義偉首相や田村憲久厚労大臣らは撤回しない考えを示しています。
・菅首相、入院制限方針を撤回せず「理解してもらいたい」|朝日新聞
20210804菅首相
(菅首相、朝日新聞サイトより)

結論を先取りすると、菅内閣のコロナ患者の入院制限というこの新しい方針は、国民の生存権(憲法25条1項)や、公衆衛生や感染症対策を国の任務とする憲法25条2項や厚労省設置法などの法律に抵触し、「法律による行政の原則」や法治主義などの西側自由主義諸国の近代憲法の大原則に反しています。菅内閣は迅速に臨時国会などを召集し、国会で説明を行うとともに、コロナ対策やオリンピック中止などについて国会審議を行うべきです。

菅政権は新型コロナの感染拡大を悪化させると批判されている東京オリンピック・パラリンピック開催の強行を続けている一方で、新型コロナへの対応は、ワクチン接種の遅れなど後手後手にまわり続けています。

このような状況下で、東京都などコロナの感染拡大が大幅に悪化している地域において、コロナ患者の重症患者以外は入院を拒否するという菅政権の新しい方針は、菅首相の政治公約である東京オリンピックは推進する一方で、東京都などのコロナの重症患者以外の患者の生命・健康を見殺しにする、つまり国家の目的のために民主主義国家における主権者の国民を見殺しにするという恐るべきものです。

菅政権がコロナ対応において多くの国民・住民を見殺しにするとことは、国民の生存権(憲法25条1項)を侵害するだけでなく、「公衆衛生」「感染症対策」などを国の任務とする憲法25条2項、厚労省設置法(3条、4条4号、19号等)にも違反していると思われます。

憲法
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

厚生労働省設置法
(任務)
第3条 厚生労働省は、国民生活の保障及び向上を図り、並びに経済の発展に寄与するため、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進並びに労働条件その他の労働者の働く環境の整備及び職業の確保を図ることを任務とする。

(所掌事務)
第4条 厚生労働省は、前条第一項及び第二項の任務を達成するため、次に掲げる事務をつかさどる。
 原因の明らかでない公衆衛生上重大な危害が生じ、又は生じるおそれがある緊急の事態への対処に関すること。
十九 感染症の発生及びまん延の防止並びに港及び飛行場における検疫に関すること。

また、菅内閣の新しい方針は、憲法や厚労省設置法などの法律に違反した行為を、行政権である菅内閣が行うものであるので、「法の支配」法治主義(実質的法治主義)、「法律による行政の原則」(憲法41条、65条等)などの民主主義国家の大原則に反しており、また菅首相や田村厚労大臣、西村経済担当大臣などは、「国務大臣、国会議員…その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」との憲法尊重擁護義務(99条)にも反しています。

さらに、そもそも菅内閣の新しい方針は、国民の「個人の尊重」と「基本的人権の確立」のために国・国会などの統治機構は手段として存在するという近代立憲主義憲法の基本構造(憲法11条、97条)に反しています。

つまり、菅内閣が多くの国民を見殺しにするということは、18世紀以降の西側の自由主義・民主主義諸国の近代立憲主義憲法の基本原則に反し、戦前の日本・ナチスドイツや、あるいは現代の中国のような国家主義・全体主義的なものです。

これはもはや日本の医療の危機にとどまらず、日本の議会制民主主義の危機近代立憲主義憲法の危機といえます。

菅首相は8月4日の記者会見で、国民に対して「丁寧な説明を行う」と発言しました。そうであるならば、菅内閣は迅速に国会の臨時会(臨時国会、憲法53条)または参議院の緊急集会(54条2項)を招集し開催すべきです。

国会において、感染爆発の状況にあるコロナ対策のためにロックダウンなどを可能にするための特措法改正のための法律審議と、あわせて東京オリンピック・パラリンピックの中止などの審議を実施すべきです。











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7月31日に、自民党横浜市議山本たかし氏(@yamamotoT0709)が、林市長を批判する住民に対して「他に引っ越せ」とツイートして炎上しています。

山本たかし1
(山本たかし氏のTwitterより)
https://twitter.com/yamamotoT0709/status/1421423721886089216

山本たかし氏は、国家主義の戦前の日本とは異なり、現在の日本は国民主権の自由な民主主義国であり、主権者の国民に対して山本氏を含む国・自治体は行政サービスを行う存在であるという民主主義の初歩の初歩をご存知ないのだろうかと驚いてしまいます。

また、山本氏は、「いやなら出ていけばいい。そこに留まるなら、自分自身も努力しようじゃないかと言っただけです」ともツイートしています。

山本たかし2


しかし、この「いやなら出ていけ。そこに留まるなら、住民・国民自身も努力すべきという山本たかし氏の発言は、自民党の参議院議員の片山さつき氏「人権思想をやめて、『国があなたのために何をしてくれるかでなく、あなたが国のために何ができるか考えよう』とするのが、自民党憲法改正草案の基本的な考え方です」とのツイートと、同じ考え方に基づくものであると思われます。

片山さつきツイート
(片山さつき氏のTwitterより)

2012年に公表された自民党の憲法改正草案は、「良き伝統と国家を末永く承継」することを憲法の目的とし、国民に対して経済活動などで国を成長させる義務や、国防義務、家族助け合い義務などを課し、さらに社会の基礎単位は一人一人の国民個人でなく「家族」であるとする、非常に国家主義的・全体主義的な内容のものです。

つまりそれは、「国民には生まれながらに一人の人間として尊く、基本的人権が存在する」(憲法13条等)ということと、「国民・住民の福祉や基本的人権の確立という目的のために国・自治体などの統治機構は手段として存在する」(憲法11条、97条)という、18世紀のアメリカ独立戦争やフランス革命などの市民革命以降の近代の自由主義諸国の近代憲法(近代立憲主義憲法)の大原則を否定し、戦前の日本やドイツ、あるいは現代の中国などのような国家主義・全体主義の国家を目指す危険な考え方です。

第二次世界大戦では、世界で少なくとも5000万人もの人々が死亡し、これは当時の世界人口の2.5%以上に相当するとされています。国家主義・軍国主義国家であった当時の日本は、ドイツ・イタリアとともにこの戦争を引き起こしてしまった深い反省に立ち、自由な民主主義の近代憲法である現行憲法を持つに至ったのですが、横浜市議の山本たつや氏や、自民党の方々はその反省をもう忘れてしまったのでしょうか。非常に心配です。国会やマスメディアなどは、この横浜市議の山本たつや氏の発言を取り上げてほしいと思います。

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小林解任
(TBSニュースより)
1.東京オリンピック開会式・閉会式のトップのディレクター・小林賢太郎氏が解任
東京オリンピックの開会式が明日にせまるなか、7月22日午前11時頃に、開会式のディレクターで開会式の演出のトップの元お笑い芸人の小林賢太郎氏が、お笑い芸人時代にナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を笑いの対象としたコントをしていたことに対し、ユダヤ人人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)が同氏を非難する声明を公表したことを受け、組織委員会は本日、小林賢太郎氏を解任したとのことです。
・小林賢太郎氏を解任 五輪開会式演出担当、ホロコーストをやゆ|毎日新聞

・SWC Condemns Anti-Semitic Remarks by Director of Opening Ceremony of Tokyo Olympics|SWC

SWCサイト
(SWCサイトより)

たしかに、SWCサイトをみると7月21日付で、「SWC Condemns Anti-Semitic Remarks by Director of Opening Ceremony of Tokyo Olympics」(SWCは東京オリンピックの開会式のディレクターによる反ユダヤ主義の発言を非難する)との抗議声明が出されています。

同声明はつぎのように、小林賢太郎氏を強く非難しています。

“Any person, no matter how creative, does not have the right to mock the victims of the Nazi genocide. The Nazi regime also gassed Germans with disabilities. Any association of this person to the Tokyo Olympics would insult the memory of six million Jews and make a cruel mockery of the Paralympics,”
(どんなに創造的であっても、ナチスの虐殺の犠牲者をあざける権利は誰にもありません。ナチス政権はまた、障害を持つドイツ人をガス処刑した。この人物(=小林賢太郎氏)と東京オリンピックとの関係は、600万人のユダヤ人の記憶を侮辱するものであり、パラリンピックへの残酷な嘲笑を引き起こすでしょう。)

「どんなに創造的であっても、ナチスの虐殺の犠牲者をあざける権利は誰にもありません。」との批判は正当であり、もはや東京オリンピックは開会を前に、完全にレイムダック、「死に体」の状況に陥っているように思われます。

障害者のパラリンピックを含む東京五輪の開会式・閉会式の音楽担当の小山田圭吾氏が、学校時代の障害者へのいじめ加害で辞任となったばかりですが、今度は開会式の演出トップが、ナチスドイツのユダヤ人大虐殺を笑いの対象としていたことでSWCから非難され解任というのは非常に深刻な状況です。(SWCはアメリカに本部を置く、日本を含む西側自由主義諸国の政治に大きな影響力のある団体です。)

ナチスドイツによる600万人を超えるユダヤ人虐殺は、第二次世界大戦における重大な戦争犯罪の一つであり、ナチスドイツと同盟を結び軍国主義・全体主義国家として第二次世界大戦を行ってしまった日本も、このユダヤ人虐殺を軍国主義・全体主義国家の重大な間違いとして深く反省しなければならない立場のはずです。

世界の国々が参加する、オリンピックという準国家的なイベントの開会式・閉会式の演出のトップのディレクターの人選にあたり、組織委員会や国は、十分な身元調査などを実施していなかったのでしょうか?

また身元調査以前の問題として、そもそも、オリンピックという準国家的なイベントの演出ディレクターや楽曲担当などの要職は、いわば日本の広告塔となるわけですから、イベントの演出や音楽などの実務能力だけでなく、学識経験や高潔な人格など高い水準が要求されるように思われますが、なぜ東京オリンピック開会式・閉会式のスタッフ達は、お笑い芸人であるとか、露悪趣味を売り物にしているサブカル系のミュージシャン等ばかりが幹部に選抜されているのでしょうか?

武藤組織員会事務総長は、小山田氏の辞任劇に際し「我々は開会式・閉会式のスタッフは一人一人選んでいない」と自分達に責任がないと強調していましたが、電通などに重要な人事を丸投げにして放置していた点にこそ、重大な責任があるのではないでしょうか。武藤事務総長や橋本組織委員長ら幹部達は、重要な人事すら丸投げして放置しておいて、自分達はこれまで一体何の仕事をしていたのでしょうか?電通やテレビ局、政治家などへの中抜きのカネ勘定しかやっていなかったのでしょうか。

このように、五輪組織委員会の幹部達の経営責任や、監督する立場の菅首相や丸川大臣らの国の責任は重大であると思われます。

2.中山泰秀・防衛副大臣がサイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)に通報?
また、この解任劇は、Twitter等によると、ネット上で小林賢太郎氏の過去のコントが問題であると話題になり、7月22日午前1時頃にあるネット上の人物からTwitter上で申告を受けた防衛省副大臣の中山泰秀氏が同日午前2時前にSWCに通報を行い、22日午前11時頃に組織委員会が小林氏を解任したという経緯があるようです。

防衛省副大臣中山氏のツイート2
(中山泰秀氏のTwitterより)
https://twitter.com/iloveyatchan/status/1417896461262483457

Twitter等によると、中山泰秀・防衛副大臣は菅総理や丸川五輪担当大臣、橋本聖子組織委員長などに連絡することなしに、直接、SWCに通報を行ったようですが、これは少し大げさにいえば、防衛省幹部による、政府に対する一種の電子的なクーデターなのではないでしょうか。

新型コロナの第5波が日本を襲うなか、世論調査によると国民の5割~8割が東京オリンピックに反対しているにもかかわらず、菅首相は東京五輪の開催を強行しています。昨日は、経団連など経済界の3団体のトップが東京五輪の開会式を欠席することを明らかにしただけでなく、東京オリンピック開催を推進してきた安倍前総理も開会式を欠席することが明らかになりました。もはや政府与党の中では、菅首相に幹部達が公然と従わない空気となっているのかもしれません。

東京オリンピックとともに、菅政権も「死に体」、レイムダックの状況となっているのかもしれません。これまでの東京五輪のごたごたをみると、不祥事は小林氏の件で終わりになるとは思えません。オリンピック関係者や選手、スポーツ関係者達だけならまだよいですが、一般国民に対してもトラブルや政治的混乱の悪影響が及ばないことを願うばかりです。

今からでも菅政権は東京オリンピックを中止し、コロナ対応に全力を尽くすべきです。

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7月23日の東京オリンピック開催まであと3日の20日、菅義偉首相はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、「東京オリンピックをやめるのは簡単」だが、「挑戦するのが政府の役割だ」と語ったとのことです。
・菅首相「五輪やめるのは簡単」「挑戦するのが政府の役割だ」、WSJに語る|WSJ・Yahoo!ニュース

これまで国会で、「新型コロナの感染拡大のなかの東京オリンピック開催は危険だから中止や延期すべきだ」と何度問われてても、「安心・安全な東京オリンピックを開催する」と主張していた菅首相ですが、開催まで数日ということで、とうとう本音が出たようです。
菅義偉首相はやはりヒトラーと同じ国家主義者・全体主義者・ファシストです。

ヒトラー

「挑戦するのが国家の役割」などと一見かっこいいことを言っていますが、その「国家の挑戦」のために犠牲となるのは、菅首相など政府与党の幹部達の生命や健康ではなく、一般の日本世界国民生命や健康です。

一般の国民の生命・健康を犠牲にして自分の独りよがりな「国家の挑戦」という目的を追求しようとしていますが、これはナチスドイツや現在の中国のような国家主義・全体主義・ファシズムであって、国民の生命・健康や基本的人権の確立が一番重要であるとする、日本の憲法が定める自由主義・民主主義に明確に反しています。

日本は中国・北朝鮮や旧ソ連などの国家主義国・全体主義国と違って、菅首相などの政府与党の幹部が主権者なのではなく、国民が主権者の自由主義・民主主義の国家です(憲法1条)。そして近代民主主義国家においては、国民の命と健康は一番大事なものであり(13条)、国民の命や健康などの基本的人権を守るために国・自治体などの機関は存在します(11条、97条)。

菅首相など政府与党が国民の命や健康を犠牲にして自分達の野心を実現するために権力を行使することは許されません。「日本のコロナの死者が他の国に比べて多い少ない」はこの場合、関係がない問題です。国民はたとえたった一人であっても、個人として尊く、国から個人として尊重される存在なのですから(憲法13条)。国にはたった一人の国民に対しても、生命や健康を守る責務があります(13条、25条など)。

もはや「国家のために国民は犠牲となれ」との本音をさらした菅首相は、日本や世界の国民と、自由主義・民主主義、個人の尊重を掲げる近代立憲主義憲法の敵です。

日本や西側世界の個人・法人は、敵である菅首相ら政府与党から、国民・法人の個人の尊重や基本的人権を守るために、「不断の努力」を行わなければなりません(憲法12条)。

■追記(7月22日)
東京オリンピックの開会式が明日にせまるなか、開会式のディレクターで開会式の演出のトップの元お笑い芸人の小林賢太郎氏が、お笑い芸人時代にナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺(ホロコースト)を笑いの対象としたコントをしていたことに対し、ユダヤ人団体のサイモン・ウィーゼンタール・センター(SWC)が同氏を非難する声明を公表したことを受け、組織委員会は本日、小林賢太郎氏を解任したとのことです。もはや東京オリンピックは開会を前に、完全にレイムダック、「死に体」の状況に陥っているように思われます。

障害者へのいじめ加害で小山田圭吾氏が辞任となったばかりですが、今度は開会式の演出のトップが、ナチスドイツのユダヤ人大虐殺を笑いの対象としていたことでSWCから非難され解任というのは、もはや東京オリンピックと菅政権は、五輪の開会を前に完全に「死に体」、レイムダックの状況といえます。

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